淀川・桂川・大和川が氾濫したらどうなるのか「大阪・京都 洪水ハザードマップ」

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2019年の台風19号では関東甲信越や東北を中心に大規模河川の氾濫や堤防の決壊が相次ぎましたが、大阪や京都などの河川でも同じような被害が出る可能性があります。特に淀川の氾濫では大阪府の中心部で甚大な被害が出る可能性があります。

淀川

浸水想定マップ

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これは淀川で起こりうる最悪クラスの水害の想定です。この想定は淀川の上流で24時間雨量が360mmに達した場合を想定しています。淀川が氾濫すると、上流から下流にかけてのほぼ全域で浸水が想定されていて、大阪市でも大規模な浸水が起きるおそれがあります。特に川に近い地域では2階まで浸水する場所もあります。

 

これは最悪クラスの想定ですが、24時間雨量が360mmを超えた場合はこの想定を上回る浸水が発生する可能性があるほか、支流で発生する氾濫は想定されていないことにも注意が必要です。

浸水する市町村

大阪府では大阪市、吹田市、豊中市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、寝屋川市、大東市、門真市、摂津市、東大阪市、島本町

 

京都府では京都市、宇治市、城陽市、八幡市、大山崎町、久御山町

浸水が続く時間

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淀川が氾濫すると長期間にわたって広範囲で浸水が続きます。1日以内に浸水が解消される地域は少なく、大阪市など下流では3日以上浸水が続きます。また場所によっては1週間以上浸水が続くと想定されている場所もあります。大阪では人口密度が高いため、孤立が長い時間続く可能性があります。浸水する前に避難するか、マンションなど2階まで浸水しても大丈夫な場所にお住まいの方は数週間生き延びるだけの備蓄が必要になります。具体的に何をどの程度備えればいいのかは「防災グッズ6選。無いと本当に困る防災グッズだけを集めました。」をご覧ください。

桂川

浸水想定マップ

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これは桂川で起こりうる最悪クラスの水害の想定です。この想定は桂川上流の12時間雨量が341mmに達した場合を想定しています。桂川が氾濫すると京都市などで大規模な浸水被害が出ると想定されていて、木津川との合流部に近づくにつれて、浸水する高さも高くなります。合流部付近では5m以上という2階が水没するレベルの浸水となる可能性もあります。

 

これは最悪クラスの想定ですが、12時間雨量が341mmを超えた場合はこの想定を上回る浸水が発生する可能性があるほか、支流で発生する氾濫は想定されていないことにも注意が必要です。

浸水する市町村

京都府では京都市、向日市、長岡京市、八幡市、大山崎町、久御山町

 

大阪府では島本町

浸水が続く時間

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桂川が氾濫すると京都市などで3日から1週間にわたって浸水が続きます。上流部の浸水する高さがそれほど高くない場所は1日から3日ほどで浸水が解消すると見られていますが、5m以上浸水すると想定されているエリアなどでは最大1週間程度水が引かない可能性があります。マンションなど高い場所に住んでいて「避難しない」という方は1週間程度生き延びる備蓄が必要になります。

大和川

浸水想定マップ

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これは大和川で起こりうる最悪クラスの水害の想定です。この想定は大和川流域の12時間降水量が316mmに達した場合を想定しています。大和川の氾濫では大阪市の非常に広い範囲が浸水し、堺市側では5m以上浸水する場所もあります。

 

これは最悪クラスの想定ですが、12時間雨量が316mmを超えた場合はこの想定を上回る浸水が発生する可能性があるほか、支流で発生する氾濫は想定されていないことにも注意が必要です。

浸水する市町村

大阪府では大阪市、堺市、藤井寺市、八尾市、柏原市、羽曳野市、松原市、東大阪市

 

奈良県では大和郡山市、天理市、三郷町、安堵町、王寺町、広陵町、 川西町、斑鳩町、河合町、三宅町

浸水が続く時間

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大和川が氾濫すると特に大阪府で長期間浸水が続きます。1週間以上浸水する場所も多く、大阪市と堺市では場所によって1週間以上孤立する可能性もあります。大阪府では人口が非常に多いため、速やかな救助は期待できません。早めに高台にある避難場所に避難するか、長期間孤立することを前提とした大量の備蓄が必要です。

まとめ

 このように淀川や桂川、大和川が一度氾濫すると大阪や京都の中心部で想像を絶する被害が出ます。淀川は近年氾濫していないため「自分は関係ない」と思っている人も多いかもしれませんが、大阪市などの海抜0メートル地帯では、堤防が一ヶ所決壊しただけで広範囲が浸水します。大阪は常に水害のリスクと隣り合わせであることを意識して、自分の住んでいる場所が本当に安全か確認してみてください。


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