三重県 津波ハザードマップ 「南海トラフ巨大地震 最大20m超の大津波」

三重県 津波ハザードマップ

三重県では南海トラフ巨大地震による大津波が想定されています。ここで紹介しているのは、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの津波のハザードマップですが、あくまで想定ですので、実際にはさらに高い津波が押し寄せたり、ハザードマップで「津波が来ない」とされている場所にも津波が到達する可能性があります。(この情報は平成27年に三重県が発表した情報を基に作成しています。)

 

三重県全域 津波ハザードマップ

浸水想定マップ

三重県の津波ハザードマップ

浸水する市町村

桑名市、四日市市、鈴鹿市、津市、松阪市、伊勢市、鳥羽市、志摩市、尾鷲市、熊野市、木曽岬町、川越町、朝日町、明和町、南伊勢町、大紀町、紀北町、御浜町、紀宝町

浸水想定マップの解説

これは、あらゆる可能性を考慮した最悪クラスの想定ですが、実際の津波は想定を超えることがあります。2011年の東日本大震災ではハザードマップで色がついている場所よりも色がついていない場所で多くの方が亡くなった地域もありました。

 

この事例について詳しく知りたい方は「ハザードマップを信じてはいけない!東日本大震災からの教訓」をご覧ください。

www.bosai311.com

 

三重県の津波ハザードマップは2011年の東日本大震災を教訓に「二度と想定外を繰り返さない」ことを意識して作られています。そのため地震の規模などによっては、実際の津波はこの想定よりも小規模の可能性もあります。この浸水想定を見て避難を諦めないようしてください。

浸水深と被害

0.3m未満

水色が0.3m未満の浸水、膝より下くらいまでの浸水です。一見、低いように見えますが、津波は足首ほどの高さであっても、凄まじい力で人やものを押し流します。子供はもちろん、健康な大人であってもほぼ間違いなく流されます。

0.3m以上2m未満

黄色は0.3m以上2m未満の浸水です。ちょうど1階の天井付近まで浸水する高さです。計算上は1mを超える津波に巻き込まれると、自分の意思では助からないとされています。これは津波の実験映像を見ていただければ一目瞭然です。

 

 

この映像は50cmの津波を人工的に作り出して行った実験です。わずか50cmほどの高さであっても、人間はいとも簡単に流されていく様子がわかります。また、津波は1mを超えると家が流される可能性があります。以前は、2m以上の浸水で家が流されるとされていましたが、2011年の東日本大震災では土砂や瓦礫を含んだ津波によって1mに満たない浸水でも、家が次々と流され破壊されました。「浸水が1mだから家の2階にいれば大丈夫」という考えは大きな間違いです。家ごと流され、津波の中に放り出される可能性もあります。津波からの避難は高台か、頑丈なビルのできるだけ上の階へするようにしてください。

2m以上5m未満

オレンジ色は2m以上5m未満、2階が水没するような高さです。これくらいの高さになると、建物の2階に避難しても助かりません。高層ビルや高台へ避難するようにしてください。津波からの避難では、中途半端な高台に逃げると命を落としかねません。

5m以上10m未満

赤色は5m以上10m未満、この高さになると、頑丈な鉄筋コンクリートの建物であっても破壊される可能性があります。数字だけではどれくらいの高さかわかりにくいかもしれませんが、10mというのは建物の3階が水没するほどの高さです。2011年の東日本大震災や1993年の北海道南西沖地震では実際にこれくらいの津波に襲われた場所もありました。

10m以上

紫色は10m以上、建物の4階以上に避難しても命の危険があります。紫色のエリアでは、数十mの高台か高層ビルに避難する必要があります。ただ、10mを超える津波では、鉄筋コンクリートの建物でも流される可能性が高くなります。建物への避難は“最終手段”として、できるだけ高台へ避難するようにしてください。2011年の東日本大震災では東北地方の太平洋沿岸各地で10mを超える津波が押し寄せました。

想定されている地震

ここでは、三重県の津波ハザードマップが作られるにあたって、想定された地震を紹介します。

南海トラフ巨大地震(ケース1)

南海トラフで発生する地震(想定されているのは全部で11ケース)のうち、駿河湾から紀伊半島沖で特に大きな津波が発生するケースです。マグニチュードは9.1と想定されています。

南海トラフ巨大地震 ケース1

三重県|各種防災関連報告書:津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波浸水想定について

南海トラフ巨大地震(ケース2)

南海トラフで発生する地震のうち、紀伊半島沖で特に大きな津波が発生するケースです。マグニチュードはケース1と同じく9.1と想定されています。

南海トラフ巨大地震 ケース2

三重県|各種防災関連報告書:津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波浸水想定について

南海トラフ巨大地震(ケース6)

南海トラフで発生する地震のうち、駿河湾から紀伊半島沖で特に大きな津波が発生、さらに紀伊半島おきの分岐断層でも大きな津波が発生するケースです。マグニチュードはケース1、ケース2と同じく9.1と想定されています。

南海トラフ巨大地震 ケース6

三重県|各種防災関連報告書:津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波浸水想定について

南海トラフ巨大地震(ケース7)

南海トラフで発生する地震のうち、紀伊半島沖で特に大きな津波が発生するケースです。マグニチュードはケース1、ケース2などと同じく9.1と想定されています。

南海トラフ巨大地震 ケース7

三重県|各種防災関連報告書:津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波浸水想定について

南海トラフ巨大地震(ケース8)

南海トラフで発生する地震のうち、駿河湾から愛知県東部の沖と三重県南部の沖から徳島県沖で特に大きな津波が発生するケースです。マグニチュードはケース1、ケース2などと同じく9.1と想定されています。

南海トラフ巨大地震 ケース8

三重県|各種防災関連報告書:津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波浸水想定について

南海トラフ巨大地震(ケース9)

南海トラフで発生する地震のうち、愛知県の沖から三重県の沖と室戸岬の沖で特に大きな津波が発生するケースです。マグニチュードはケース1、ケース2などと同じく9.1と想定されています。

南海トラフ巨大地震 ケース9

三重県|各種防災関連報告書:津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波浸水想定について

南海トラフ巨大地震(ケース10)

南海トラフで発生する地震のうち、愛知県の沖から三重県南部の沖と徳島県の沖と足摺岬の沖で特に大きな津波が発生するケースです。マグニチュードはケース1、ケース2などと同じく9.1と想定されています。

南海トラフ巨大地震 ケース10

三重県|各種防災関連報告書:津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波浸水想定について 

まとめ

三重県では伊勢湾に面している平地が多い地域では内陸深くまで津波が到達する可能性があります。一方、志摩半島より南のリアス海岸では最大20mを超える津波が想定されています。三重県では1944年の昭和東南海地震や1854年の安政東海地震などで繰り返し大津波に襲われてきました。2011年の東日本大震災でも津波による被害が出ています。津波からの避難は原則「高台」、近くに高台がなかったり、すでに避難が間に合わないような状況になっている場合には、頑丈な建物のできるだけ上の階に避難してください。木造住宅な流される可能性がありますので、鉄筋コンクリート造の建物に避難するようにしてください。