日本海に面する山形県では、海底活断層によって引き起こされる津波が想定されています。中には10mを超えるような東日本大震災クラスの津波が想定されているところもあります。「太平洋側に比べると津波のリスクが低い」と感じている人もいるかもしれませんが、一度大津波に襲われると甚大な被害が出ます。
山形県全域の津波ハザードマップ
浸水想定マップ
こちらは山形県の津波浸水想定域を示した地図です。最悪クラスの津波の想定ですが、津波は地震の規模や地形などによって予想を超えることがあります。
浸水する市町村
山形県が2014年に公表した津波浸水想定 によると、鶴岡市の浸水面積は401ヘクタール、酒田市の浸水面積は1099ヘクタールなどとなっています。酒田市の中心部を流れる最上川など、川に沿って浸水範囲が広がると想定されています。
各市町村の浸水面積は以下の表をご覧ください。(一つの地震による想定ではありません。実際の浸水面積はさらに広くなる可能性もあります。)
山形県「津波浸水想定について(解説 )」より
津波が到達するまでの時間
山形県の資料によると、鶴岡市では早いところで地震発生から7分で20cmの津波が到達し、酒田市ではわずか1分で20cmの津波が到達する場所もあると想定されています。具体的には鶴岡市の小岩川、大岩川、温海、米子、暮坪、鈴、五十川、堅苔沢で7分、市内のその他の場所でも10分以内に津波が到達するとされています。酒田市では飛島の勝浦で1分、酒田港や宮海では8分で20cmの津波が到達するとされています。
各市町村の沿岸に津波が到達するまでの時間はこちらの表をご覧ください。(一つの地震による想定ではありません。津波は予想よりも早く到達したり、遅れて到達することもあります。)
山形県「津波浸水想定について(解説 )」より
予想される津波の高さ
鶴岡市では暮坪と五十川で最大16.3m、酒田市では坂田港で最大13.3mの津波が想定されています。詳しく見ていくと、鶴岡市の暮坪と五十川で16.3m、堅苔沢で15.7m、米子で14.8mなどほぼ全域で10mを超える津波が想定されています。酒田市では飛島で最大14.3m、酒田港で13.3m、宮海で11.6mなどとされています。
各市町村の沿岸で予想される津波の高さはこちらの表をご覧ください。(一つの地震による想定ではありません。津波は予想の高さを上回る可能性もあります。)
山形県「津波浸水想定について(解説 )」より
各地の浸水想定と浸水開始時間
山形県では沿岸部や川沿いを中心に大規模な浸水が想定されていて、酒田市役所のすぐそばも津波が到達するとされています。津波は普通の波とは違い、強い力で人や建物などを押し流すので、できるだけ浸水想定域外に避難することが望ましいですが、間に合わない場合は近くの頑丈な建物のできるだけ上の階に避難してください。
鼠ヶ関・早田・小岩川の浸水想定と浸水開始時間
大岩川・温海の浸水想定と浸水開始時間
米子・暮坪・鈴・五十川の浸水想定と浸水開始時間
堅苔沢・小波渡・三瀬・由良の浸水想定と浸水開始時間
油戸・今泉・加茂・金沢の浸水想定と浸水開始時間
湯野浜・浜中の浸水想定と浸水開始時間
最上川河口・酒田市内の浸水想定と浸水開始時間
宮海・比子・西浜・吹浦の浸水想定と浸水開始時間
鳥崎・女鹿・飛島の浸水想定と浸水開始時間
各市町村のハザードマップ
各市町村の詳しい津波ハザードマップはこちらの『わがまちハザードマップ(国土交通省)』から閲覧できます。
» わがまちハザードマップ(国土交通省)
パソコンの場合
右の都道府県選択から「山形県」を選択、見たい市町村をクリックすると各ハザードマップへアクセスできます。
スマホの場合
右上の「地域選択」をタップし、都道府県選択から「山形県」を選択、見たい市町村を選択すると各ハザードマップへアクセスできます。
まとめ
山形県では1983年の日本海中部地震、1964年の新潟地震などで繰り返し津波による被害が出ていますが、中でも1833年の庄内沖地震では7〜8mの津波に襲われたと見られています。日本海で発生する地震は震源域が陸に近いことが多く、到達までにかかる時間も短いのが特徴です。沿岸付近で揺れを感じたら、津波警報を待つことなく避難を開始する必要があります。
津波から避難するときに気を付けることはこちらの記事にまとめてあります。
» 津波からの避難で気を付けること(イラスト付き)
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