新型コロナ いま災害が起きたら避難していいの?避難所のコロナ対策は?

新型コロナウイルス と災害

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、東京都などに緊急事態宣言が出されています。もし今、大地震が起きたらどう行動すればいいのか、不安な人も多いのではないでしょうか?この記事では、新型コロナウイルスが蔓延している中で災害が発生したらどう行動すればいいのか解説します。

 

新型コロナウイルスとは?

どれくらい危険?

新型コロナウイルスの感染力や致死率などは、京都大学の山中伸弥教授が分かりやすくまとめて発信しています。ぜひ、こちらのサイトをご覧ください。
» 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

こちらが、上記のサイトに掲載されているグラフです。感染者と死亡率が年齢別に示されています。単純に比較することはできませんが、インフルエンザの致死率は約0.1%と言われていますので、これまでのデータからはインフルエンザよりも死に至る可能性が高いと考えられています。 

新型コロナウイルスの危険度山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」より

 こちらも、山中伸弥教授のサイトに掲載されている画像です。新型コロナウイルスについては、感染拡大の最中のため、感染力や致死率などの具体的な数字は常に変動しています。一時期、「インフルエンザよりも危険性は低い」という情報も流れましたが、現在ではインフルエンザよりも危険なウイルスであるとの見方が強まっています。(最大値や最小値のみに注目するのではなく、幅を持って見る必要があります。)

新型コロナウイルスの危険度山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」より

どうやって感染するのか?

直接の感染

飛沫感染

感染している人が咳やくしゃみをする、または会話などで唾が飛ぶ

ウイルスも一緒に放出される

他者がそのウイルスを吸い込む

具体例:近距離(1〜2m)で会話をしている状態、特に屋内で換気がされていない場合は注意が必要

 間接的な感染

接触感染

感染している人が咳やくしゃみをした時に、手で口を押さえる

ウイルスがついた手で周りの物に触れる

他者が同じ部分に触れる

その手で顔(口や鼻など)を触る
 

具体例:電車やバスのつり革・ドアノブ・エスカレーターの手すり・照明などのスイッチ・椅子

地震発生 避難する?

地震と新型コロナ

もしも、大きな地震が発生するなどして避難が必要になった場合、ためらわずに避難をしてください。緊急事態宣言が出ていても、都市封鎖が行われていてもです。もちろん新型コロナウイルスの感染が拡大する危険性もありますが、災害時は災害によって命を落とす可能性の方が圧倒的に高くなります。災害時の優先順位は「災害>新型コロナウイルス」です。

また、屋外では近距離での会話を避ければ、感染するリスクはそれほど高くなく、相手の体に触っただけで感染することもありません。もしも小さな子どもや高齢者などと手を繋いだり、救助活動などで他者と触れ合った場合は、その手で顔や周りのものをできるだけ触らず、安全な場所に避難できたら手を洗うかアルコール消毒を行ってください。

津波からの避難は?

津波と新型コロナ

津波からの避難も、今まで通りで構いません。余裕があれば、近距離で会話を控えたり、同じものを触らないようにすることで感染リスクを下げることができますが、新型コロナウイルスよりも津波の方が差し迫った危険ですので、津波からの避難を優先してください。屋外であれば、同じ場所にいるだけで感染する可能性は低いですし、同じものに触れたとしても、顔を触る前に手を洗ったり、消毒をすることで感染するリスクをかなり減らせます。

避難所での新型コロナ対策

避難所と新型コロナ

今回の新型コロナウイルスは感染していても症状が出ない人が多くいるという特徴があります。そのため、「感染しないように」するのではなく、自分が既に感染していることを前提に「周りの人に感染を広げない」ようにすることが重要です。

避難所では幅広い年代の人が一緒に生活をするため、あくまで一例ですが、無症状感染者同士の会話によって近くにいた症状が重くなりやすい人に感染を広げてしまう可能性もあります。避難所では、1m〜2m以上の距離を保ち、マスクをするか、できるだけ会話をせずに過ごすようにしてください。もし、スペースが確保できない場合には、段ボール等を使って仕切りを設けたり、できるだけ物を共用したりしないことで感染リスクを下げることができます。

避難所のしきり

咳エチケット

会話をする場合は、できるだけ屋外に出て距離を取るようにしてください。普通に会話をするだけでも、唾が相手に届き感染させてしまったり、換気を行っていない時には周辺の人にも感染を広げてしまう可能性があります。

また、避難所に入る前や、トイレに行った後、調理前・食事前などには必ず手を洗うようにしてください。水道が使えない場合は、アルコール消毒をしてください。もし、手に汚れがある場合はウェットティッシュで拭いてからアルコール消毒をするようにしてください。水道水が使えない時に、バケツに水をためて手を洗うケースもみられますが、その際にバケツの中に手を入れて洗うと感染が拡大する恐れがあります。

手洗いの注意点

手洗い

また、できる限り換気を行うようにしてください。止むを得ず締め切る場合でも1日に複数回は窓を開けて換気をしてください。飛沫感染は換気によってリスクを減らすことができます。

食事は?

食事の注意点

避難所での食事は特に注意が必要です。体調に少しでも不安がある、または花粉症などで咳やくしゃみが出る人は、調理や盛り付け、配膳をしないでください。無症状感染者かつ花粉症の人が感染を広げる可能性も考えられます。

また、症状がない人でも感染している可能性を考慮して、必ずマスクをつけ、徹底した手洗いをし、使い捨ての手袋を使用して作業してください。素手で料理をしないでください。

食器類もできるだけ共用を避け、特に他人と同じ食器類は使わないでください。水道が使えない場合は、使い捨ての食器を使うようにしてください。

袋入りの食べ物は手でちぎらず、そのまま食べることで、手についたウイルスから感染することを防げます。

トイレは?

トイレの注意点

トイレに行ったあとは、必ず手を洗うかアルコール消毒をし、トイレに行く時に使った靴で生活空間に入らないようにしてください。

また、余裕があれば使用前にも便座を拭くことも効果的です。トイレを汚した場合は運営側に伝えるようにしてください。感染拡大の原因になりかねません。

自宅に被害がなく、安全が確認されている状況であれば、家のトイレを使うという方法もあります。停電や断水などで水が流せない場合は、便座に被せて使うタイプの簡易トイレがお勧めです。

体調が悪い場合は?

少しでも体調に不安がある場合は、すぐに職員や管理者などに伝えるようにしてください。避難所生活では、体調の悪化しても我慢をする人が大勢います。そして、自ら発信しないと周りの人はなかなか気づいてくれません。

もし仮に、新型コロナウイルスに感染していたとしても、あなたは悪くありません。どんなに気を付けていても、全ての人が感染する可能性がありますので、罪悪感を持たないようにしてください。

咳などを我慢することよりも、早い段階で周囲に知らせることで、自分の症状の悪化を抑えられる可能性もありますし、周囲への感染拡大を抑えることもできます。

体調が悪い時は、ためらわずに職員などに伝えてください。それが自分のためにも、周りの人のためにもなります。

在宅避難とは?

家の耐震性が高い場合は在宅避難という方法もあります。停電していたり水道が使えなかったりして、日常と同じ生活とまではいきませんが、自分の家で避難を続けることで感染のリスクを減らすことができます。

ただ、在宅避難が可能なのは、頑丈な家に住んでいる人だけです。「家が頑丈だから在宅避難をする」という考え方は大丈夫ですが、「新型コロナウイルスに感染するのが怖いから在宅避難をする」というのはやめてください。

避難所であっても、感染予防をしっかりと行えば、感染するリスクは大きく減らせます。

理想的な備蓄

収束するのに1年以上かかるとも言われている今回の感染症ですが、できる限り人と接する機会を減らせば、自分が感染するリスク、他人に感染させてしまうリスクを減らすことができます。例えば、先ほど紹介したように、簡易トイレを備蓄しておく、非常食や水を備蓄しておく、これだけでも十分に効果があります。

飲み水は1人あたり1日2Lは必要です。大きなペットボトル1本分です。分かりやすく表にしましたので、参考にしてください。

家族構成 3日分 2Lのペットボトル
1人 6L 3本
2人 12L 6本
3人 18L 9本
4人 24L 12本
5人 30L 15本
6人 36L 18本

 非常食 

非常食は、単純に計算すればいくつ必要かが分かります。こちらも、分かりやすく表にしました。

家族構成 3日分
1人 9食
2人 18食
3人 27食
4人 36食
5人 45食
6人 54食

 

 

トイレ

先ほどもご紹介しましたが、簡易トイレの備蓄もお勧めします。1人あたり1日7回トイレに行くと仮定して必要な量をまとめました。

家族構成 3日分
1人 21回分
2人 42回分
3人 63回分
4人 84回分
5人 105回分
6人 126回分

 

 

非常食や水を買う時に注意することなど、具体的なことはこちらの記事で解説しています。
» 防災グッズ6選。無いと本当に困る防災グッズだけを集めました。

まとめ

新型コロナウイルスが蔓延している状況で災害が起きても、対策をしっかり取ることで、感染リスクは小さくできます。ただ、今回のウイルスは無症状であっても感染している可能性があることを頭に入れて「感染しない」ようにするのではなく「他人に感染させない」ことを意識して行動するようにしてください。

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