南海トラフ巨大地震の震度予測(最悪クラス4ケース+経験的手法)

南海トラフ巨大地震の震度予測

南海トラフ巨大地震の震度予測は「基本ケース」「東側ケース」「西側ケース」陸側ケース」の4ケースと「経験的手法」によるものがあります(いずれもマグニチュード9.1)。この5つの最大値の分布図が最も広く知られていますが、実際には様々なケースが想定されています。

 

基本ケース

震度想定

南海トラフ巨大地震の震度予測(基本ケース)

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

基本ケースは2003年に中央防災会議が「東海地震・東南海地震・南海地震」の3連動地震の想定を参考に予測したもので、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、高知県で震度7の揺れが予測されています。

強震動生成域

基本ケースの強震動生成域

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

東側ケース

震度想定

南海トラフ巨大地震の震度予測(東側ケース)

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

このケースは基本ケースから強い揺れを発生させる領域を東側にずらしてシミュレーションを行ったもので、静岡や愛知で震度7の領域が目立ち、四国にも震度7を示す赤色のエリアが広がっています。このケースで震度7が想定されているのは静岡県、愛知県、三重県、兵庫県、和歌山県、徳島県、高知県です。

強震動生成域

東側ケースの強震動生成域

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より 

 西側ケース

震度想定

南海トラフ巨大地震の震度予測(西側ケース)

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

このケースは基本ケースから強い揺れを発生させる領域を西側にずらしてシミュレーションを行ったもので、紀伊半島や四国で強い揺れになる傾向があります。このケースで震度7が想定されているのは静岡県、愛知県、三重県、兵庫県、和歌山県、徳島県、香川県、高知県です。

強震動生成域

西側ケースの強震動生成域

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

陸側ケース

震度想定

南海トラフ巨大地震の震度予測(陸側ケース)

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

このケースは強い揺れを発生させる領域を可能性のある中で最も陸側に設定したものです。ほぼ直下型の地震となることから、震度7のエリアが目立ちます。このケースで震度7が想定されているのは静岡県、愛知県、三重県、兵庫県、和歌山県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、それに宮崎県です。

強震動生成域

陸側ケースの強震動生成域

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

経験的手法による震度分布

南海トラフ巨大地震の震度予測(経験的手法)

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

これは「基本ケース」「東側ケース」「西側ケース」「陸側ケース」で設定した強い揺れを発生させる場所が必ず正しいとは言い切れないため、強震断層全体から距離のみを考慮して震度を予測したケースです。これまでのケースに比べて震度7のエリアは狭いように見えますが、神奈川県から鹿児島県にかけて広い範囲で震度6弱以上の揺れが想定されています。

震度の最大値の分布

南海トラフ巨大地震の震度予測(最大値の分布)

内閣府「南海トラフ巨大地震モデル検討会」より

こちらは4ケースと経験的手法による震度分布を合わせた地図です。静岡や愛知、それに四国などで震度7を示す赤色のエリアが目立ちます。一度にこれだけの範囲が震度7の揺れに襲われるわけではありませんが、ここで赤色がついている場所は南海トラフ巨大地震によって震度7の揺れに襲われる可能性があります。

まとめ

この震度予測はあくまで“予測”で、場合によってはこの予測を上回る可能性もあります。この地図を見て「自分の地域は大丈夫だ」と油断するのは非常に危険です。日本では南海トラフ巨大地震以外にも大地震が想定されていて、地震が来ない安全な場所はありません。 

 

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