デマの見分け方とTwitterでデマが急拡散する理由

デマの見分け方とTwitterでデマが急拡散する理由

新型コロナウイルスの影響で、多くのデマが出回っています。これから状況がさらに悪化すれば、そこに付け込んでデマを流す人が増えることも予想されます。この記事では、デマがなぜ広がるのか?どうすればデマを見分けられるのか?解説します。

 

なぜデマは広がるのか?

デマとは若干異なるものですが、「炎上」についてのアンケート調査の結果を紹介します。

炎上に参加している人はわずか0.5%

なぜ、根拠のない嘘が広まってしまうのか?これを知るためには、インターネット上で炎上が起きる仕組みを理解する必要があります。

国際大学GLOCOM研究員の山口真一氏と主幹研究員の田中辰雄氏が行ったアンケート調査によると、インターネット上で炎上に参加したことがある人は、ネットユーザー全体のわずか1.1%で、過去1年間に炎上に参加したことがある人に絞ると0.5%にまで下がります。

1年間を通してみても、炎上に参加しているのは、200人に1人だけということです。

ではなぜ、ごく一部の人たちによって、炎上が起きるのでしょうか?

0.5%の人々が膨大な書き込みをする

炎上は、ごく一部の人が繰り返し書き込みを行うことで規模が大きくなることがわかっています。山口真一氏と田中辰雄氏によると、一つの炎上で書き込みを行うのは数千人程度です。

また、炎上に書き込みを行う人が何回書き込んだかを調査すると、1回だけツイートする人が92.6%、2回以上ツイートする人は7.4%、3回以上ツイートする人はわずか1.9%だということが判明しました。繰り返しツイートをしているのは全体をみてもわずか数百人しかいないという衝撃の結果です。

さらに、炎上の当事者に直接攻撃をしている人に絞ると、多くても数十人程度と考えられています。

デマの実例

ここからは、実際にあったデマを紹介します。

2016年 熊本地震

2016年4月に熊本・大分で規模の大きな地震が相次いだ際、「動物園からライオンが逃げた」というツイートが拡散されました。このツイートを見た人々から動物園や警察に通報や問い合わせが相次ぎましたが、このツイートは悪質なデマでした。なお、このツイートをした男性は偽計業務妨害容疑で逮捕されています。

2018年 大阪北部地震

2018年に大阪府で震度6弱を観測した地震の際にもデマが相次ぎました。この時は「京セラドームにヒビが入った」「シマウマが逃げ出した」「外国人が犯罪を犯している」「電車が脱線した」などといった情報が広まりましたが、いずれもデマでした。

2020年 新型コロナウイルス

2020年、全国で感染が拡大している新型コロナウイルスに関するデマでも混乱が起きています。今回は、「トイレットペーパーの製造元が中国であり、その中国で生産がストップしている」というものでした。しかし、トイレットペーパーはほとんどが国産で、このツイートは、根拠のないデマです。

逮捕される可能性も

虚偽の情報を拡散すると、最悪逮捕されることもあります。熊本地震のデマでは実際に逮捕者も出ています。情報元を確認せずに、拡散をすることは絶対にやめましょう。

刑法233条
虚偽の風説を流布し,又は偽計を用いて,人の信用を毀損し,又はその業務を妨害した者は,三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

デマの見分け方

最後に、デマを見分けるコツを紹介します。ここで紹介するのは、あくまで大まかな傾向ですので、自分でのファクトチェックも必ず行ってください。 

公式の情報か?

本当に一刻を争うような重要な情報であれば、国や県、企業などから情報が出るはずです。そのような場所から何の情報が出ていない場合は、デマの可能性が高いといえます。また、なかなか情報元が見つからない場合も、デマの可能性が高いと考えられます。

情報源が書かれていない

URLなどの記載もなく、明確な根拠のないツイートなどはデマの可能性があります。一度、自分で検索して本当に正しい情報か確認してください。災害時や感染症が流行したときには、根拠のない情報や予防法が出回ることがありますが、どの組織が発信した情報か記載されていない場合は、根拠のないデマの可能性があります。

拡散を促す

デマの中には、拡散を促すものも多くあります。必ずしもデマとは限りませんが、一度自分で情報源を確認するようにしてください。また、デマの場合は強調表現や不安を煽る表現を用いて、拡散するように仕向けてくるもの多くあります。拡散する人は善意で行っていると思いますが、それがデマの拡散になっている可能性も頭の中に入れておいてください。

憶測ではないか?

デマの中には、「〜らしい」「〜だろう」というような文面のものも多く見られます。このようなツイートは、発信者が想像で書き込んでいる可能性が高いので、信用しないようにしましょう。繰り返しになりますが、大事な情報であれば国などから情報が出ます。

「友人に聞いた」

「〇〇から聞いた」「〇〇が言ってた」というのもデマを流す人の常套手段です。架空の第三者から情報を得たことにすれば、自分が責任を取る必要がないので、この方法が多く使われます。

デマの見分け方

まとめ

炎上の仕組みと、なぜデマが拡散するのかを解説しました。「自分が入手した情報を周りの人にも伝えてあげたい」という気持ちもわかりますが、“情報元を確認する”というステップを踏むだけで、自分がデマの拡散元になることは防げます。ツイッターのリツイートは、駅前広場で大声でデマを拡散しているのと同じ状況です。本当に正確な情報なのか、確認してから拡散するようにしましょう。

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