【高知県】3分でわかる過去の大地震「昭和南海地震・安政南海地震・宝永地震」

高知県

高知県は土佐湾などの地形上、南海トラフ巨大地震による大津波で被害を受けやすい場所です。過去に高知県で大きな被害を出した3つの地震を紹介します。

 

1946年 南海地震 

地震の概要

1946年12月21日午前4時19分、南海トラフの紀伊半島沖から四国沖までを震源域とするマグニチュード8.0の地震が発生。岡山県や三重県、高知県、それに兵庫県淡路島で震度6の激しい揺れを観測しました。2年前には南海トラフの東側で「昭和東南海地震」が起きています。ほかの南海地震と区別するために「昭和南海地震」と呼ばれています。

 被害

この地震の最大の被災地は高知県でした。特に現在の黒潮町では家屋の倒壊率が70%に達した地域があるなど甚大な被害が出ました。また地震直後に大津波に襲われ556棟の建物が流されるなど被害が拡大しました。この地震で県内だけで4,000棟以上の建物が全壊し、679人が犠牲になりました。

1854年 安政南海地震

地震の概要

1854年12月24日午後4時半ごろ、紀伊半島沖から四国沖までを震源域とするマグニチュード8.4の巨大地震が発生。和歌山県や大阪府、それに四国や中国地方の各地で震度6程度の激しい揺れに襲われたとみられています。この地震の32時間前には「安政東海地震」が発生しています。

 被害

直前に発生した安政東海地震と被害の区別はできませんが、高知県内の被害はほぼ南海地震によるものとみられています。特に津波による被害が大きく夜須(現・香南市)では8割以上の建物が流されるなど甚大な被害となりました。津波による被害に、地震の揺れや火災による被害を加えると全壊・流出・焼失合わせて約1万棟に上りました。この地震による県内の死者は372人。

1707年 宝永地震

地震の概要

1707年10月28日、南海トラフの東海沖から四国沖までを震源域とするマグニチュード8.6の巨大地震が発生。静岡県から高知県にかけて震度7相当の非常に激しい揺れに襲われたとみられています。宝永地震は記録がある南海トラフ巨大地震の中で最大規模です。

 被害

高知県では20mを超える高さにまで津波が達し、内陸4kmを超える場所にまで押し寄せました。また最大2mの地盤沈下も発生しました。この地震によって5,000棟以上の建物が全壊したほか、10,000棟以上の建物が流出し、2,270人が犠牲になりました。犠牲者の数についてはさらに多かった可能性もあります。

まとめ

高知県は南海トラフ巨大地震が発生すると県内の広い範囲で震度6強以上の激しい揺れに襲われ、地震発生から数分で大津波に襲われると想定されています。「自分は関係ない」と思い込まず、家具を固定したり、津波からの避難経路を確認するなど、できることから備えを進めましょう。


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