人が死なない防災

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大川小学校の悲劇~判断を誤らせた“正常性バイアス”~

 

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正常性バイアスとは?

正常性バイアスとは、無意識のうちに自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価してしまう人間の特性のことです。災害で犠牲になる人の多くがこの心理状態にあるとされています。

東日本大震災の“正常性バイアス”

今回は、2011年3月11日に発生した東日本大震災を紹介します。東日本大震災でも正常性バイアスとみられる行動が確認されています。

東日本大震災とは?

2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするM9.0の巨大地震「東北地方太平洋沖地震」が発生しました。震源域は岩手県南部の沖合から茨城県にまで達する国内観測史上最大の巨大地震でした。この地震で、東北地方を中心に最大40mの巨大津波が襲い、2万人近くの方が犠牲になりました。

 

この地震はそれまで想定されていた

・三陸沖中部(岩手県南部沖)

・宮城県沖 M7.5

・三陸中南部海溝より(宮城県沖のさらに沖) M7.7

・福島県沖 M7.4

・茨城県沖 M6.7-7.2

・三陸沖から房総沖の海溝より M8.2

の6つの地震が連動して発生するという、完全な「想定外」でした。

被害拡大の原因

東日本大震災の被害がここまで拡大したのにはいくつかの要因があります。

想定を上回る巨大地震

1つ目は先ほどからも述べているように、想定をはるかに上回る桁違いの巨大地震が発生したことです。このため、それまで作成されてきたハザードマップが全く役に立たず、津波が押し寄せるはずのない地域にまで濁流が押し寄せました。例えば、岩手県釜石市では津波が来ないはずだった小学校に、3階建ての校舎の屋上をはるかに越える大津波が押し寄せました。このように想定をはるかに上回る巨大地震が発生したことが被害拡大の1つ目の理由です。

大津波警報の誤報

実は、地震発生の3分後に発表された最初の大津波警報は「宮城6m、岩手3m、福島3m」というものでした(当時の技術ではこの予想が限界で、今ではこのような大幅な誤報は避けられるようになっています)。この数字でもかなり高い津波ですが、岩手県~宮城県北部のリアス式海岸では過去の津波の教訓から最大10mを超える堤防が建てられていたため、避難しなかった人が多かったとみられています。その後、予想高さは10m以上に引き上げられましたが、この頃すでに津波が到達していて、津波の高さは沿岸で最大30m近くに、そして斜面を駆け上がり40mを超える地点にまで到達しました。これが被害拡大の2つ目の理由です。

正常性バイアス

これまでの2点は、国や気象庁などの技術・調査不足などが要因ですが、もう一つ、個人の心理状態も被害拡大の要因になっていたことも分かっています。その象徴的な現場が宮城県石巻市にある大川小学校です。

 

大川小学校の悲劇

大川小学校という名前を聞いたことがあると思います。ハザードマップで浸水想定域の外側だった大川小学校では地震の後、児童が校庭に避難していたところを大津波に襲われ、学校にいた児童78人のうち74人、教職員11人のうち10人が犠牲になりました。この被害拡大の原因と言われているのが「正常性バイアス」です。

 

地震のあと、児童と教職員は校庭に避難し、その後の対応を協議していました。広報車や消防車が繰り返し避難を呼びかけ、津波が到達する前には「堤防を壊して津波が来ている。高台に避難を!」という呼びかけもありましたが、避難を開始したのは地震発生から50分後、しかも避難先は北上川のすぐそばの道路でした。大川小学校の裏には低学年でも登れる山がありましたが、裏山への避難は選択されませんでした。

 

そして避難を始めた直後、津波は北上川の堤防を越え大川小学校を飲み込みました。大川小学校に避難してきた地元住民の中には「堤防を壊して津波が来ている。高台に避難を!」という呼びかけの後でも「ここまで津波が来るわけがない」という会話をしていた人たちもいて、根拠のない思い込みが被害を拡大させたと考えられています。

 

念のため繰り返しますが、大川小学校には津波は来ないはずでした。そのためすべてが「正常性バイアス」によるものではありませんが、誰かが勇気ある判断をしていれば多くの命が救われていた可能性があります。

 

まとめ

この「自分は関係ない」「自分は大丈夫」という心理状態は決して他人事ではありません。あなたも“無意識”のうちにこのような心理状態になり、命を落とすこともありうるのです。津波警報が出たら、「自分は大丈夫」と決して思い込まず、周りの人にも声を変えて、あなたが最初に避難をしてください。あなたの“率先避難”で多くの命が救われます! 

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