1.17 通電火災が街を襲った ~阪神・淡路大震災~

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阪神淡路大震災で発生した火災は200件以上、そのうちの半分以上が停電が復旧したタイミングで発生していたことがわかっています。

 

通電火災です。

 

あの日、なぜ火災が多発したのか、通電火災とは何なのか、解説します。

阪神淡路大震災

阪神淡路大震災とは1995年1月7日午前5時46分に本州と淡路島の間を震源とする兵庫県南部地震(M7.2)によって引き起こされた災害を指します。

兵庫県南部地震

震度

気象庁|阪神・淡路大震災

 

震源域

淡路島北部から神戸にかけて

観測された震度

震度6:神戸市中央区・洲本市

現地調査による震度

震度7:神戸市東灘区・灘区・中央区・兵庫区・長田区・須磨区、西宮市・芦屋市・宝塚市・津名町・北淡町・一宮町

震度6:神戸市垂水区・北区・西区、尼崎市、明石市、伊丹市、川西市、淡路町、東浦町、五色町

 被害

主な被害

断層が真下を通っていた神戸市や淡路島などで甚大な被害が出ました。近代の大都市が震度7の揺れに襲われたのはこれが初めてで、兵庫県内だけで10万棟以上の建物が全壊する大惨事となりました。また高速道路が横倒しになったほか、鉄道の橋脚が各地で破損しました。しかし幸いなことに新幹線は始発前だったため大きな被害は免れました。さらに、各地で200件を超える火災が発生しました。当時は風が弱かったため延焼は最小限に抑えられましたが、それでも7,000棟近い建物が焼失しました。

 死者・行方不明者

兵庫県を中心に相次いだ建物の倒壊と火災によって6,431人が死亡したほか、3人が行方不明のままとなりました。 

火災はなぜ拡大した?

阪神・淡路大震災では200件を超える火災が発生し、7000棟を超える建物が焼失しました。なぜ、これほど多くの火災が発生したのでしょうか?

原因その1:冬

阪神淡路大震災が発生した時期は冬だったため、ストーブなどの暖房器具が多くつかわれていました。このことが、火災が多発した大きな理由の一つで、暖房器具からの出火は南海トラフ巨大地震や首都直下地震でも懸念されています。

原因その2:水がない!

震度7の激しい揺れによって上下水道が寸断され、防火貯水槽にも被害が及んだため、消防が現場に到着していながら、ホースから水が出ないために消化ができない現場がいくつもありました。

原因その3:通電火災

そして、火災が多発した最大の原因が、通電火災です。

通電火災とは?

地震直後、揺れが強かった地域では停電が発生しました。そのため、ストーブなどにスイッチが入ったままになっていても出火することはありませんでした。

 

しかし、地震発生から数時間がたって、徐々に電気が復旧し始めると、スイッチが入れっぱなしだったストーブや、倒れてきた家具などによってスイッチが押されたままになっている暖房器具などにスイッチが入ります。ストーブは転倒すると自動で止まりますが、家具や床などに底がピッタリくっついたままだと稼働し続けます。

 

この暖房器具の周りに燃えやすい服などがあったり、ガス漏れが発生していたりすると、火災に至ります。これが通電火災です。

火災の6割が通電火災

長い間、大半の火災の出火原因は分かっていませんでしたが、近年の研究で全体の火災の6割が通電火災だったことが判明しました。

 通電火災対策

 通電火災を起こさないようにするためにはどうすればいいのでしょうか?

方法は1つしかありません。

 

地震の後、避難するときは

必ずブレーカーを落とす

 

ブレーカーを落とした状態で避難すれば、停電が復旧しても、家の中まで通電することはありません。

 

「ブレーカーを落とす」このちょっとした行動で、火災を防ぐことができます。災害時は各地で火災が発生するため、消防車が必ず来るという保証はありません。自分の家の火災対策は自分でするしかありません!

まとめ

阪神淡路大震災では、戦後初めて消火をあきらめ住民の避難誘導に当たるという措置が取られました。このころに比べて、全国の消防の連携など着実に進歩していますが、1人1人の心掛けが大切です。

 

 

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